ChatGPT、ニュースに基づいた株価予測調査で最大512%のリターン。AIの欠点も浮き彫りに

AI(人工知能)に対する投資家の興奮が、2023年にS&P 500を18%押し上げ、同指数の利益の大部分をAI関連の大型銘柄が占めた。

この興奮とともに、AIをどう投資に組み込むことができるかという点への関心が高まっている。例えば、ChatGPTのようなサービスの基盤となる大規模言語モデル(LLM)が進化するにつれて、人間の思考をまねできるようになり、いつか人間の代わりに株の銘柄を選択するようになるのだろうか?

フロリダ大学金融学部は、これらのモデルがマーケットでの訓練を受けていなくても金融市場を理解 することができるのか、確かめてみたら面白いのではないかと考えた。そこでChatGPTに、あるニュースが株価にとって良いか悪いかを尋ね、その情報がポジティブかネガティブかによって株を売り買いするシミュレーションを行った。

同学部は、ChatGPTがニュースのセンチメントによって株価の方向性を予測するのに優れている一方で、限界もあることを突き止めた。実際、ChatGPTやBardといった生成AIサービスは利用者に対し、金融に関するアドバイスのためにはAIに頼らず自身で調べるよう警告している。

金融学のアレハンドロ・ロペス=リラ(Alejandro Lopez-Lira)助教授とユエファ・タン(Yuehua Tang)准教授が率いるこの研究では、ChatGPTが株式市場の動きに対するニュースの影響を十分に理解し、リターンを生み出すことができるかどうか、また人間と同等かそれ以上の能力があるかどうかを評価しようと試みている。

配当の支払いからCEOの発表に至るまで、さまざまなトピックのヘッドライン(見出し)をAIに供給した。企業リストは株価調査センター(Center for Research in Security Prices)のデータベースから取り出したという。ニュースのヘッドラインはウェブ上からスクレイピングし、金融のデータサービス企業であるレブン・パック(RavenPack)のヘッドラインと比較し、関連性のあるニュースのみを使用した。

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